エコーに療養費の加算はない

まず押さえるのは、エコーに柔道整復療養費の加算がないことです。柔道整復師の超音波観察装置には、保険点数の加算がありません。エコーを使っても、受け取れる療養費は変わりません。エコーは、保険の売上を増やす道具ではありません。

だから、導入の費用や毎月の維持費は、保険ではなく、自費の施術や、患者の納得・再来といった信頼で回収する前提で考えます。回収の考え方は別の記事で扱います。ここでは、療養費には乗らない、という一点を出発点にします。

エコーを請求の根拠にしない

エコーは療養費の対象外なので、エコーを使ったことを理由に、療養費を増やしたり、新しい項目を立てたりはできません。療養費の請求は、打撲・捻挫・挫傷や、医師の同意を得た骨折・脱臼の施術という、実際に行った施術の事実に基づきます。エコーは、その請求の根拠になりません。

実態と異なる請求は、不正請求になる エコーを使ったことを保険の請求に絡めたり、実際に行っていない施術を請求に乗せたりすると、不正請求にあたります。不正請求は、受領委任の取扱いの中止など、院の運営そのものに関わる事態につながります。エコーは便利な道具です。ただし、請求の話とは切り離して扱います。

自費で「検査料」を取るのも慎重に

では、保険でないなら自費で検査料を取れるか。ここも慎重に考えます。柔道整復師のエコーは、診断ではなく、施術に関わる判断の参考や、患者への説明に使うものです。これを単体の「検査料」として課金すると、診断や検査と受け取られる誤解を生むことがあります。

自費の料金の立て方や名目は、所属する団体や税理士に確認します。エコーは、単体で料金を取るより、自費の施術に対する患者の納得や継続を支える道具として使うのが自然です。自費での活かし方は、関連記事で扱います。

請求と切り離し、記録と説明に使う

エコーで観察した患部の状態や経過を記録し、患者への説明に使うのは、本来の使い方です。前回との違いを画面で見せれば、患者は通院や施術の必要性をのみ込みやすくなります。ここは、エコーがいちばん効く場面です。

ただし、記録があることと、療養費を請求できることは別です。記録を理由に療養費を増やすことはできません。記録や説明は院の中の話、保険の請求は制度の決まりに沿った話として、頭の中で分けておきます。

迷ったら、保険者・団体・税理士に確認する

療養費の請求は、制度の決まりが細かく、自費の料金の立て方にも判断が要ります。エコーを使った場面で扱いに迷ったら、自分の解釈で進めないことです。保険のことは保険者や所属する団体に、自費や税のことは税理士に確認します。

確認しておけば、あとから不正請求を疑われる事態を避けられます。迷ったまま請求して、あとで返戻や指導を受けるより、先に確かめるほうが、結局は手間がかかりません。

やること、やらないこと

エコーと療養費は、関係を切り離して扱います。

やる

  • エコーは保険の対象外と理解し、回収は自費や信頼で考える。
  • エコーで観察した状態を記録し、患者への説明に使う。
  • 自費の料金の立て方や名目を、団体・税理士に確認する。

やらない

  • エコーを使ったことを理由に、療養費を増やす・項目を立てること。
  • 実際に行っていない施術を、請求に乗せること。
  • 扱いに迷ったまま、自分の解釈で請求を決めること。

エコーは、療養費に乗る道具ではありません。請求はあくまで施術の事実に基づき、エコーは記録と説明の道具として、保険の話とは切り離します。この線を守れば、エコーを安心して使えます。療養費の請求そのものの注意点は、制度の記事にまとめています。

よくある質問

エコーを使うと、療養費は増えますか?
増えません。柔道整復師の超音波観察装置には、保険点数の加算がありません。エコーは柔道整復療養費の対象外です。エコーを使ったかどうかで、受け取れる療養費は変わりません。導入の費用や毎月の維持費は、保険ではなく自費の施術や、患者の納得・再来といった信頼で回収する前提で考えます。
エコー検査として、療養費を請求できますか?
できません。エコーは療養費の対象外なので、エコーを使ったことを理由に療養費を増やしたり、項目を立てたりはできません。療養費の請求は、打撲・捻挫・挫傷や、医師の同意を得た骨折・脱臼の施術という、実際に行った施術の事実に基づきます。実態と異なる請求は不正請求にあたり、受領委任の取扱いの中止などにつながります。
自費で、エコーの検査料を取ってよいですか?
慎重に考えます。柔道整復師のエコーは診断ではなく、施術に関わる判断の参考や患者への説明に使うものです。これを単体の「検査料」として課金すると、診断や検査と受け取られる誤解を生むことがあります。自費の料金の立て方や名目は、所属する団体や税理士に確認します。エコーは、自費の施術に対する患者の納得や継続を支える道具として使うのが自然です。
エコーで観察した記録は、残してよいですか?
残してかまいません。患部の状態や経過を記録し、患者への説明に使うのは、エコーの本来の使い方です。ただし、記録があることと、療養費を請求できることは別です。記録を理由に療養費を増やすことはできません。記録や説明と、保険の請求は切り離して考えます。
請求の扱いに迷ったら、どこに確認しますか?
保険者、所属する団体、税理士に確認します。療養費の請求は制度の決まりが細かく、自費の料金の立て方にも判断が要ります。エコーを使った場面で迷ったら、自分の解釈で進めず、確認してから決めます。確認しておけば、あとから不正請求を疑われる事態を避けられます。

出典

SOURCES | 一次情報
  1. 京都府/厚生労働省「柔道整復師による超音波画像診断装置の使用について(注意喚起)」平成29年9月29日(施術に関わる判断の参考とする超音波検査の取扱い、保険点数の加算はない。平成15年9月9日通知・平成22年12月15日事務連絡を含む) pref.kyoto.jp/iryo/documents/290929.pdf (2026年6月確認)
  2. 厚生労働省「柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて」(療養費は実際に行った施術に基づく。不正請求の取扱い) mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/jyuudou/ (2026年6月確認)
  3. 柔道整復師法(昭和45年法律第19号)第17条(施術の対象=打撲・捻挫・挫傷、医師の同意を得た脱臼・骨折。応急手当を除く) laws.e-gov.go.jp/law/345AC1000000019 (2026年6月確認)

本記事は、エコーと療養費の関係を整理したものです。療養費の取扱いや自費の料金の考え方は変わることがあります。実際の判断は、厚生労働省の最新情報、保険者、所属する団体、税理士にも確認してください。特定の製品の宣伝ではありません。

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