エコーは療養費が付かない、自費の領域

エコーを自費に活かせないかと考える院長が、最初に確かめたいのはお金の入り口です。柔道整復療養費には、エコーを使ったことに対する加算はありません。つまり、エコーで保険の売上が増えるわけではありません。導入の費用と毎月の維持費は、保険ではなく自費の側で回収する前提になります。

だから、エコーを使うなら自費の領域で考えます。ここまでは、入れるかどうかを迷う段階でも置いておきたい前提です。ただ、自費の領域だからといって、画像を見た分をそのまま検査料として取れるわけではありません。次の線引きが、いちばん大事なところです。

「検査料」として単体で取るのは避ける

柔道整復師が超音波でできるのは、患部の状態を画面で観察し、施術に関わる判断の参考にすることまでです。画像を見て診断することはできません。診断は医師の業務です。だから、超音波の画像を見たこと自体を「検査料」として単体で課金するのは避けます。検査料という名目は、まるで画像で検査や診断をしたかのように受け取られかねず、誤解や不適切な扱いにつながりかねないからです。

言いかえると、エコーは「画像を撮る対価」で稼ぐ道具ではありません。自費の施術の中で患者に状態を見せて説明し、納得して続けてもらうために使う道具です。お金は、画像そのものにではなく、納得して受ける自費の施術に対していただく、という順番で考えます。

柔整師の超音波は、診断でなく観察と判断の参考 厚生労働省は、施術に関わる判断の参考とする超音波検査について、施術所で実施しても関係法令に反しないという見解を、通知(平成15年9月9日)と事務連絡(平成22年12月15日)で示しています。ただし、できるのは観察と判断の参考までで、画像での診断はできません。平成29年には、診断にあたる行為をしないよう注意喚起も出ています。検査料という名目は、この線を越えて見えてしまう点に気をつけます。

料金の名目は、団体と税理士に確認する

では、エコーを使う自費メニューをいくらで、どういう名目で出すか。ここは、自分の判断だけで決めず、所属する団体と税理士に確認します。検査料として単体で取ることは避けたうえで、自費の施術の中でどう扱うか、料金の付け方や会計上の扱いをどうするかを相談します。

この記事では、いくらにするか、どんな名目なら問題ないかを断定しません。療養費の扱いや、自費と保険の線引き、会計の決まりは変わることがあり、地域や団体で運用も違うからです。確かなのは、検査料として単体で取るのは避ける、という一点です。料金の中身は、団体と税理士という確かな相手に当たって決めます。

自費で効くのは、課金でなく納得と説明

ここまでで、エコーは課金そのもので稼ぐ道具ではない、と整理できました。では自費の何に効くのか。自費の施術に対する、患者の納得です。患部の状態や経過を画面で一緒に見ると、言葉だけで説明されるより、患者は状態をのみ込みやすくなります。なぜこの施術が要るのか、いつまで通うのか、続けるとどう変わっていくのかが伝わります。

自費の施術は、患者が納得しなければ続きません。最初の一回で終わるか、経過を見ながら通い続けるかは、この説明で変わります。エコーは、その説明と経過の共有を支えます。画面で経過を一緒に見ながら、今どこにいて、これからどうするかを話せると、患者は自分の通院に見通しを持てます。エコーが自費で効くのは、この納得と継続の場面です。

広告に出せないから、集患でなく継続で効く

自費に効くなら、エコーを掲げて集客したくなります。ただ、それはできません。柔道整復の広告は、広告できる事項が法律で限定して並べられていて、エコーや超音波といった施術方法は、その並びに含まれません。「エコー完備」「超音波で確認」といった打ち出しは広告に出せません。令和7年2月のあはき・柔整広告ガイドラインでも、考え方は同じです。違反は30万円以下の罰金です。ホームページの線引きは、所属する団体や保健所に確認しながら進めます。

だからエコーは、外から客を集めるための道具ではありません。来院したあとに効きます。保険の施術から自費へ進むかどうか、その自費を続けるかどうかを患者が決める場面で、説明と納得を支えます。集患でなく、来院後の自費への進み方と継続で活きる、と考えると、活かし方の輪郭が見えてきます。

先にやること、まだやらないこと

エコーを自費に活かすなら、料金より先に、使う場面と確認すべき相手を決めます。

先にやる

  • 自費の施術のどの場面でエコーを使うかを決める。状態の説明か、経過の共有か。患者の納得を支える使い方から考える。
  • 料金や課金の名目を、所属する団体と税理士に確認する。検査料として単体で取ることは避けたうえで相談する。
  • 観察や読影の技術をどう習得するかを調べる。買えば使えるものではなく、説明に使えるまで学ぶ時間が要る。

まだやらない

  • 超音波の画像を見た分を、検査料として単体で課金すること。
  • 「エコー完備」と広告やホームページに出して集患しようとすること。
  • 料金の名目を、団体や税理士に確認しないまま自分の判断だけで決めること。

エコーが自費で効くのは、課金そのものではなく、自費の施術への納得と経過の説明、通院の継続を支える場面です。検査料として単体で取るのは避け、料金や名目は団体と税理士に確認します。使う場面と確認の相手を先に決めてから、料金の話に進みます。

よくある質問

エコーを使った分を自費でもらってもいいですか?
エコーに柔道整復療養費の加算はないので、使うなら保険ではなく自費の領域です。ただ、超音波の画像を見たこと自体を検査料として単体で課金するのは避けます。柔整師の超音波は診断ではなく、施術に関わる判断の参考と観察だからです。検査料という名目は誤解や不適切な扱いにつながりかねません。料金や課金の名目は、所属する団体や税理士に確認します。
なぜ検査料として取るのは避けるのですか?
柔道整復師が超音波でできるのは、患部の状態を画面で観察し、施術に関わる判断の参考にすることまでです。画像を見て診断することはできません。診断は医師の業務です。検査料という名目は、まるで画像で診断や検査をしたかのように受け取られ、誤解や不適切な扱いにつながりかねません。エコーは、自費の施術の中で患者に説明し、納得してもらうために使う前提で考えます。
エコーは自費の何の役に立ちますか?
課金そのものより、自費の施術に対する患者の納得を支える点です。患部の状態や経過を画面で一緒に見ると、言葉だけより状態をのみ込みやすくなります。なぜこの施術が要るか、いつまで通うかが伝わり、納得して続けてもらいやすくなります。エコーが自費で効くのは、この説明と経過の共有、通院の継続を支える場面です。
エコー完備と広告に出せば自費の集患になりますか?
なりません。柔道整復の広告は広告できる事項が法律で限定列挙されていて、エコーや超音波といった施術方法は広告に出せません。ホームページの線引きは所属する団体や保健所に確認します。だからエコーは、集めるための道具ではなく、来院したあとに効きます。自費へ進むかどうか、通い続けるかどうかを決める場面で、説明と納得を支えます。
料金の付け方は誰に相談すればいいですか?
自費メニューの料金や、エコーをどう扱うかの名目は、所属する団体と税理士に確認します。検査料として単体で取ることは避け、自費の施術の中でどう扱うかを相談します。療養費の扱いや広告の線引きは変わることがあるので、厚生労働省の最新情報と保健所にも当たります。

出典

SOURCES | 一次情報
  1. 京都府/厚生労働省「柔道整復師による超音波画像診断装置の使用について(注意喚起)」平成29年9月29日(施術に関わる判断の参考とする超音波検査の取扱い、診断にあたる行為をしないよう注意喚起。平成15年9月9日通知・平成22年12月15日事務連絡を含む) pref.kyoto.jp/iryo/documents/290929.pdf (2026年6月確認)
  2. 柔道整復師法(昭和45年法律第19号)第17条(施術の制限=医師の同意がなければ脱臼・骨折の患部に施術不可、応急手当を除く)・第24条(広告の制限=広告できる事項の限定列挙) laws.e-gov.go.jp/law/345AC1000000019 (2026年6月確認)
  3. 厚生労働省「あはき・柔整広告ガイドライン(あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう、柔道整復の広告し得る事項等及び広告適正化の指針)」令和7年2月18日(施術方法・専門性は広告できない、違反は30万円以下の罰金) mhlw.go.jp/content/10800000/001412682.pdf (2026年6月確認)

本記事は、エコーを自費にどう活かすかを考えるときの整理です。エコーの取扱い・広告・療養費の要件や、料金の付け方は変わることがあります。料金や課金の名目は所属する団体と税理士に、制度の扱いは厚生労働省の最新情報と保健所にも確認してください。特定の製品の宣伝ではありません。

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