レセコンは製品名でなく「制度対応」で選ぶ

レセコン選びでつまずくのは、製品ごとの機能や価格を、最初から細かく比べてしまうからです。比較表を作るほど、違いが多すぎて決められなくなります。先に、外せない条件を決めます。柔道整復の請求は、これから制度が大きく動きます。その動きに対応できないレセコンを選ぶと、数年で使えなくなったり、追加の出費が必要になったりします。

だから、選ぶ軸は「これからの制度に対応できるか」です。具体的には三つ。オンライン請求に対応する見込み、明細書の発行、オンライン資格確認とのつながりです。この三つを満たすものに絞ってから、価格やサポートで比べます。順に見ます。

条件1 オンライン請求に対応する見込みか

一つめは、オンライン請求です。柔道整復療養費の請求は、紙の申請書から、インターネット経由のオンライン請求へ切り替わる方向が、国の方針として示されています。最終的には、紙もDVDも認めず、オンラインに一本化されます。

ただし、時期はまだ決まっていません。2026年6月時点で義務化の時期は未定で、当初の令和8年度の目標も見直されています。だから、今すぐ対応している必要はありません。確かめるのは、今のレセコン、または検討中のレセコンが、その時が来たときにオンライン請求へ対応する見込みがあるか、です。販売元に「対応の予定はあるか」「その費用はいくらか」を聞いておきます。

条件2 明細書を発行できるか

二つめは、明細書の発行です。令和6年10月から、明細書を発行する機能がついたレセコンを設置している施術所は、患者から求められたとき、明細書を無償で交付するのが原則になりました。

これから選ぶなら、明細書を発行できるレセコンにしておくのが自然です。発行できる機種を選び、患者へ渡す流れを整えておけば、制度の求めにそのまま応えられます。発行機能のないレセコンを選ぶと、別の方法で対応することになり、かえって手間が増えます。選ぶときに、明細書を発行できるかを確認します。

条件3 オンライン資格確認とつながるか

三つめは、オンライン資格確認とのつながりです。受領委任を扱う施術所には、マイナンバーカードで保険資格を確認するオンライン資格確認が、令和6年12月から原則として義務づけられています。これはレセコンとは別の仕組みですが、つながっていると事務が楽になります。

レセコンが資格確認とつながっていれば、確認した保険の情報を、請求にそのまま使えます。手で入力し直す手間が減り、入力の間違いも減ります。選ぶときに、検討中のレセコンがオンライン資格確認とつながるかを確認します。つながらない場合、二度手間が残ります。

価格と、囲い込みに気をつける

三つの制度条件を満たしたら、最後に価格とサポートで比べます。ここで見るのは、初期費用だけではありません。月額の利用料、サポートの手厚さ、そして乗り換えのしやすさです。

いったん入れると、乗り換えにくい レセコンは、いったん使い始めると、患者データや請求の履歴がたまり、乗り換えにくくなります。これを見越して、契約の前に、データの持ち出しができるか、解約の条件はどうか、を確かめます。初期費用が安くても、乗り換えにくい囲い込みや、制度対応のたびの追加出費があると、結局は高く付きます。

三つの制度条件を満たしたうえで、続けやすい価格とサポートのものを選ぶ。これが、目先の安さに釣られず、長く使えるレセコンの選び方です。

今週やること

レセコンは、勢いで契約せず、三つの条件を一つずつ確認します。

今週やる

  • 今のレセコン、または検討中のレセコンの販売元に、オンライン請求に対応する見込みと費用を聞く。
  • 明細書を発行できるか、オンライン資格確認とつながるかを確認する。
  • 月額・サポート・データの持ち出し・解約の条件を、契約の前に確かめる。

まだやらない

  • 初期費用の安さだけで、契約を決めること。
  • 制度に対応する見込みを確認しないままの導入。
  • データの持ち出しや解約の条件を見ないままの契約。

レセコンは、毎日使い、長く付き合う道具です。製品の細かな機能より、これからの制度に対応できるかを先に見れば、選択肢は絞られます。三つの条件を満たし、続けやすい価格のものを選べば、制度が動いても慌てずに済みます。オンライン請求や明細書など、制度そのものの中身は、関連記事にまとめています。

よくある質問

レセコンは何を基準に選べばいいですか?
製品名や安さよりも、これからの制度に対応できるかで選びます。柔道整復療養費のオンライン請求に対応する見込み、明細書を発行できること、オンライン資格確認とつながること。この三つを満たさないと、制度が進むにつれて使えなくなったり追加の出費が必要になったりします。あわせて月額やサポート、乗り換えのしやすさも見ます。
オンライン請求に、今すぐ対応している必要がありますか?
今すぐの対応は必須ではありません。オンライン請求は2026年6月時点で義務化の時期が決まっておらず、当初の令和8年度の目標も見直されています。ただし最終的には紙もDVDも認めずオンラインに一本化される方向です。今のレセコンがその時に対応する見込みがあるかを、販売元に確認しておきます。
明細書の発行は、レセコン選びに関係しますか?
関係します。令和6年10月から、明細書を発行する機能がついたレセコンを設置している施術所は、患者から求められたとき明細書を無償で交付するのが原則です。これから選ぶなら、明細書を発行できるレセコンにしておくのが自然です。発行できる機種を選び、患者へ渡す流れを整えておきます。
オンライン資格確認と、レセコンは別ですか?
別の仕組みですが、つながっていると事務が楽になります。受領委任を扱う施術所には、オンライン資格確認が令和6年12月から原則として義務づけられています。レセコンがこの資格確認とつながっていれば、確認した情報を請求にそのまま使え、入力の手間が減ります。選ぶときに、つながるかを確認します。
安いレセコンを選んではいけませんか?
安さだけで選ぶのは避けます。初期費用が安くても、月額が高い、サポートが弱い、制度対応に追加の出費がかかる場合があります。とくに、いったん入れると乗り換えにくい囲い込みには注意します。データの持ち出しや解約の条件を契約の前に確かめます。三つの制度条件を満たしたうえで、続けやすい価格のものを選ぶのが、結局は安く付きます。

出典

SOURCES | 一次情報
  1. 厚生労働省「柔道整復療養費のオンライン請求導入等について(中間とりまとめ)」令和7年3月12日(請求をオンラインに一本化する方向、稼働時期は未定で令和8年度目標は見直し) mhlw.go.jp/content/12601000/001467878.pdf (2026年6月確認)
  2. 厚生労働省「柔道整復療養費に係る明細書の交付について」(令和6年10月〜、発行機能つきレセコン設置施術所は求めに応じ無償交付が原則) mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/jyuudou/ryouyouhi_kouhu.html (2026年6月確認)
  3. 厚生労働省 柔整・あはき向けオンライン資格確認(資格確認限定型)説明資料(受領委任を行う施術所は令和6年12月2日以降、原則義務化) mhlw.go.jp/content/10200000/001337580.pdf (2026年6月確認)

本記事は、レセコンを選ぶときの考え方をまとめたものです。制度の時期や要件は変わることがあります。実際の判断は、厚生労働省の最新情報、所属団体、レセコンの販売元にも確認してください。特定の製品の宣伝ではありません。

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